2026年05月12日
【麗澤瑞浪高等学校監修記事】
「総合型選抜って、AO入試と同じこと?」「評定が低くても受けられるの?」そんな疑問を持つ高校生は多いはずです。
総合型選抜は2021年度から旧AO入試に代わって導入された入試制度で、学力試験だけでなく、志望理由書・面接・小論文などを通じて「学びへの意欲」や「将来への目標」を総合的に評価します。
この記事では、仕組みの基本から、スケジュール・向いている人の特徴・対策まで、受験を考えている高校生に向けてわかりやすく解説します。
総合型選抜とは、学力試験の点数だけでなく、受験生の「学びへの意欲」「将来の目標」「人物・適性」を総合的に評価する入試方式です。
大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に照らし合わせて、行われます。
| 項目 | 令和6年度(2024年) | 令和7年度(2025年) |
|---|---|---|
| 私立大学の実施率 | 93.4% | 95.8% |
| 国立大学の実施率 | 79.3% | 92.6% |
| 全入学者に占める割合 | 16.1% | 19.5% |
| 合格者数 | 約9.8万人 | 約12.7万人 |
| 前年比増加数 | 約6,000人増 | 約2.8万人増(令和6年度比) |
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」
文部科学省の最新の調査(令和7年度)によると、総合型選抜はもはや「特別な入試」ではありません。
枠が増えているということは、大学側が「点数だけでなく、志の高い学生を直接選びたい」と強く考えている証拠です。
単なる「滑り止め」ではなく、「大学が本気で求めている学生」を決める戦いになっていると言えます。
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」
総合型選抜はかつて「AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)」と呼ばれていましたが、2021年度入試から名称と中身が変わりました。
| 項目 | 旧:AO入試 | 新:総合型選抜 |
|---|---|---|
| 学力の評価 | 必須ではなかった(書類と面接のみも多かった) | 必須(共通テストや小論文、検定などが課される) |
| 評価の基準 | 意欲や関心、人物面が重視された | 意欲に加え、高校までの基礎学力が厳格に問われる |
| 調査書の活用 | 参考程度の場合もあった | 合否判定においてより重要な資料として活用される |
旧AO入試では書類審査や面接のみという大学も多く、「学力が問われない入試」というイメージがついていました。実際に学力をほとんど見ない大学も出てきたため、文部科学省が制度を見直し、「総合型選抜」として再定義。
最大の変更点は、何らかの形で学力を測ることが必須になった点です。小論文・プレゼンテーション・口頭試問・共通テストのうち、少なくとも1つを課すことが各大学に求められています。
「総合型選抜=学力不要」というイメージは過去のものになりつつあります。
多くの大学で、総合型選抜は「合格したら必ずその大学に入学する」という『専願』が条件となっています。
一般選抜のように「受かった中から一番良いところを選ぼう」という、いわゆる『滑り止め』としての受験は原則できません。
合格後に辞退することは、大学側だけでなく、自分の高校の後輩たちにも影響を及ぼす(来年度以降の信頼に関わる)可能性がある非常に重い決断です。
だからこそ、総合型選抜は「なんとなく早く決めたい」という理由ではなく、「この大学でなければならない!」という強い覚悟と第一志望の熱意がある人に適した入試なのです。
3つの入試方式は、評価の軸も選考時期も大きく異なります。
自分に合った方式を選ぶために、まず違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 | 一般選抜 |
|---|---|---|---|
| 評価の中心 | 意欲・人物・将来目標 | 高校の成績・推薦 | 学力試験の点数 |
| 高校長の推薦 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 評定平均の条件 | 大学による | 多くで設定あり | なし |
| 主な選考方法 | 志望理由書・面接・小論文・プレゼンなど | 小論文・面接中心 | 学力検査 |
| 出願・選考時期 | 9月〜(早い) | 11月頃 | 1〜3月 |
| 専願・併願 | 専願が基本(併願可の大学も一部あり) | 指定校は専願、公募は併願可の場合も | 自由に併願可 |
※詳細は各大学の募集要項でご確認ください。
3つの中で最も早く動き出す必要があるのが総合型選抜です。高2のうちから準備を始めることが、選択肢を広げる第一歩になります。
総合型選抜は、一般選抜より大幅に早いスケジュールで進みます。文部科学省の方針で、9月1日以降から出願スタート、また共通テストを課さない場合は合格発表日は11月1日以降と定められています。
総合型選抜は年内に進路を確定できる「年内入試」として活用できます。(※共通テストなしの場合)
一般選抜の合格発表が2〜3月であることを考えると、約3〜4ヶ月早く結果が出ることになります。
なお、共通テストを課す総合型選抜の場合は、合格発表が2〜3月になります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 高2の夏〜秋 | 志望校・学部を検討、オープンキャンパス参加 |
| 高3の6〜8月 | 志望理由書・エントリーシートの準備期間。大学によっては8月からエントリー(事前登録)受付開始 |
| 9月1日以降 | 第1次選考(出願開始)※文部科学省・大学入学者選抜実施要項による規定 |
| 9〜10月 | 第2次選考(書類選考・面接・小論文などの選考実施) |
| 11月1日以降 | 合格発表(共通テストを課さない場合)※文部科学省・大学入学者選抜実施要項による規定 |
| 11〜12月 | 入学手続き・納入金支払い |
大学によってはオープンキャンパスや個別説明会への参加が出願要件になっている場合があります。
これらは出願より前に実施されるため、高2のうちから動き出すことが理想です。
総合型選抜は9月からが一般的ですが、複数回の選考日程を設けている大学も多く、年明けの1〜2月まで出願を受け付けているケースもあります。
ただし、12月以降の選考は競争率が上がる傾向があります。また、大学によっては1月の共通テストを課すケースもあり、その場合は合格発表も共通テスト後となります。
12月以降の出願は『残り福』を狙うようなもの。チャンスはありますが、対策にかける時間と一般選抜の勉強時間のバランスが非常に難しくなります。
もし年明けまで粘るなら、冬休み返上の覚悟で挑みましょう!
総合型選抜では、学力試験一本の一般選抜とは異なり、さまざまな方法で受験生を評価します。
大学・学部によって選考内容は大きく異なるため、志望校の募集要項を早めに確認することが大切です。
総合型選抜で課される選考内容は大学・学部によって異なりますが、主に以下の4つが中心となります。
それぞれの特徴と対策のポイントを押さえておきましょう。
総合型選抜の「三種の神器」とも言える書類です。
大学によって形式は異なりますが、以下の3つの視点ですべての書類がつながっている必要があります。
志望理由書が「熱意」を伝えるものなら、活動報告書は「その熱意の根拠」を証明するもの。
以前は文章だけで「頑張りました」といった内容を書けば済むことも多かったのですが、最近は探究学習の成果物や活動写真をまとめたポートフォリオを重視する大学が増えています。
課題文や資料をもとに自分の考えを論述します。
単なる文章力だけでなく、志望分野に関連する専門知識や、論理的な思考力が問われるのが特徴です。
対策のコツ: 日頃からニュースや新書に触れ、自分の志望する分野で「今、何が課題になっているのか」を把握しておくことが不可欠です。
志望理由や学びへの意欲を直接伝えます。
大学によっては、特定のテーマについて専門的な質問に答える「口頭試問」が含まれ、高校までの学習内容が身についているか厳格にチェックされます。
自分の研究テーマを発表したり、他の受験生と特定の議題について議論したりします。難関大学や国立大学に多い形式で、リーダーシップや協調性が見られます。
国立大学を中心に、共通テストを課す大学が増加傾向にあります。
「総合型=学力不要」というイメージは過去のものであり、最低限の基礎学力がないと足切りにあうケースもあります。
総合型選抜では、評定平均の条件は「大学・学部によって異なる」という点が重要です。
条件がない場合でも、調査書の学習成績は選考に影響します。
文部科学省の実施要項では、学習成績概評はA(4.3以上)・B(3.5〜4.2)・C(2.7〜3.4)の段階で評価されると定められており、大学はこの情報をもとに合否を判断します。
評定は単なる点数ではなく、「高校3年間、授業に真剣に取り組んだ」という継続的な努力の証明として評価されるため、1点でも高く保つ意識が大切です。
総合型選抜は「誰でも受けられる」入試ですが、「誰でも受かる」入試ではありません。
向いている人の特徴を知ることで、自分に合った入試方式を選ぶ参考にしてください。
総合型選抜は、特別な才能がある人だけのものだと思っていませんか?
実は、『自分なりに考え、動ける人』であれば、誰にでもチャンスがあります。
以下の特徴に多く当てはまる人ほど、総合型選抜との相性が良いと言えます。
ただし、すべてを満たしている必要はありません。「今はまだ足りない」と感じる部分は、準備を通じて伸ばしていけるものがほとんどです。
探究活動・課外活動・ボランティアなど、何かに本気で取り組んだ経験がある人は、志望理由書や面接で話す内容が豊かになります。
大切なのは活動の「成果」より、「その活動を通して何を考え、何に気づいたか」という内省の深さです。
「なぜこの大学・学部なのか」「将来どう活かしたいのか」を語れる人は強いです。
ただ、最初から立派な志がなくても大丈夫。
日常の中で「どうしてこうなってるんだろう?」「もっと知りたい!」という小さな好奇心の種を持っている人は、それを深掘りすることで、大学側を納得させる「自分だけのストーリー」を作ることができます。
志望理由書、小論文、面接のすべてにおいて、自分の考えを言葉にする力が問われます。
ここで求められるのは、単に綺麗な文章を書くことではなく、「なぜそう思うのか」という根拠をセットにして、相手が納得できるように筋道を立てて伝える力です。
特別な訓練というより、日常の授業での発表や、SNSでの発信、日記などで「自分の意見とその理由をセットで言語化する」習慣がある人は、驚くほど対策がスムーズに進みます。
大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と自分の興味・目標が重なっている人ほど、選考を通過しやすくなります。
志望校のアドミッション・ポリシーをしっかり読み込み、自分との接点を見つけることが合格への近道です。
総合型選抜は、必ずしも「第一志望に合格できる」とは限りません。
万が一の結果になった際、すぐに一般選抜へ気持ちを切り替えられる準備ができている人は、最終的に納得のいく進路を勝ち取れます。
ただし、専願(単願)の場合も油断は禁物です。大学によっては「合格したら必ず入学する」という専願が条件となりますが、それは「不合格になった時に他の道を探さなくていい」という意味ではありません。
募集要項を事前に確認し、プランB(一般選抜や後期の選抜)を常に持っておきましょう。
総合型選抜で探究活動や課外活動が評価される理由は、その経験そのものではなく、活動のプロセスから「自ら学ぶ姿勢(主体性)」が見えるからです。
具体的には、以下の「探究のサイクル」が描けているかどうかが評価のポイントになります。
例えば、環境問題をテーマに探究してきた生徒なら、「地元の川の汚れが気になった(問い)」→「水質を調査し、清掃活動をした(行動)」→「個人の努力だけでは限界があると知った(気づき)」→「だから大学で環境政策を学びたい(大学での学び)」というストーリーになります。
部活動やボランティアも同様です。このサイクルを回した経験こそが、志望動機に圧倒的な説得力を与えるのです。
資格・検定(英検・TOEIC・数学検定など)も、語学系・理系の学部を中心に出願条件や加点対象になる場合があります。資格は「その分野の基礎学力が十分にある」という客観的な証明です。
志望校の募集要項を早めに確認し、必要な検定は戦略的に取得しておきましょう。
総合型選抜と聞くと「全国大会出場」や「生徒会長」などの華々しい実績が必要だと思われがちですが、実はそれは大きな誤解です。
もちろんそういった実績も大切ですが、大学が本当に知りたいのは「結果のすごさ」ではなく、「日常の小さな疑問に対して、どう行動し、何を学んだか」というプロセスです。
このように、日常の「違和感」を放置せず、自分なりに問いを立てて動いた形跡こそが、大学での「研究」に繋がる適性として高く評価されます。
自分には書ける実績がないからと諦めないでください。
総合型選抜の対策は、学力試験対策とは大きく異なります。
テクニックより「書ける内容を高校生活で作ること」が最大の準備です。時期別に、やるべきことを見ていきましょう。
総合型選抜の対策で最も大切なことは、「志望理由書に書くネタを高校生活で作ること」です。
テクニックだけを磨いても、書く内容が浅ければ面接で見抜かれてしまいます。
高2の夏頃には志望校をある程度絞り込み、アドミッション・ポリシーを読み込んでおくのが理想的なタイミングです。
高1・高2の皆さんにぜひやってほしいのが、「探究活動のログ(記録)」を残すことです。
これらは、高3で「活動報告書」を作る際の圧倒的な武器になります。後から思い出すのは大変なので、スマホの専用フォルダや紙のファイルにまとめておきましょう。
いよいよ本番の年。高1・高2で積み上げてきた経験を、言葉にして伝える準備に集中します。
志望理由書は総合型選抜の核心です。以下の4つの要素を「過去・現在・未来」の1本の線で繋げる必要があります。
自分だけのストーリーとしてまとめましょう。
きっかけとなった体験・出来事を具体的に書きます。「小さい頃から興味があった」といった曖昧な表現ではなく、「〇〇という体験から、〇〇という問いを持った」と書くことで、あなただけのオリジナリティが生まれます。
実際に行動した経験(探究活動・部活動・読書など)を具体的に書きます。成果の凄さだけでなく、「どんな壁にぶつかり、どう乗り越え、何に気づいたか」というプロセスこそが、評価の対象になります。
志望校の特色・教員・カリキュラム・アドミッション・ポリシーと自分の目標がどう結びつくのかを具体的に書きます。「この大学でなければ学べないこと」を明確にしましょう。
大学での学びを活かして、どのような社会課題を解決したいのかを書きます。「大学で学ぶことがゴールではなく、その先の社会でどう活かすか」という視点を持つことで、説得力が格段に高まります。
麗澤瑞浪中学・高等学校は、コースを問わず、総合型選抜との親和性が高い学校です。
「自分が何に関心を持ち、どう社会と関わりたいか」を言語化する力を、日々の学校生活の中で自然と育てる環境が整っています。
毎週土曜日に実施する「Discovery Saturday」では、生徒が自分の「好き」や「やってみたい」を起点に講座を選び、調査・制作・発表までの探究サイクルを体験します。
歴史の現地調査からスライド発表、マインクラフトを使った測量・設計、モデルロケットの製作と全国大会出場まで、その内容は多岐にわたります。
高校1年生が取り組む「ガチャプロ(ガチャガチャ商品企画プログラム)」は、株式会社ミエタが提供する探究学習プログラム「MIETAN」の一環として実施されています。
ガチャガチャの商品を企画・制作し、最終的な商品化・販売までを目指すプロジェクトで、3クラス混合のグループワークで約4か月間かけてアイデアの立案・試作・プレゼンテーションまでを行います。
発表会ではプロのおもちゃクリエイターから講評を受け、一部の生徒は実際の商品化へ向けて動き出すなど、学びが学校の外にまで広がっています。
全国から生徒が集まる寮生活で培われる主体性や他者理解の力も、総合型選抜において評価されやすい資質です。
多様な価値観を持つ仲間と共同生活を送る中で、自分の考えを持ち、相手に伝える経験を積んでいること自体が、面接や集団討論の場で発揮できる強みになります。
2026年4月に新設されたアントレプレナーシップコースでは、「社会課題を自分ごととして解決する」という探究的な学びが中心に置かれています。
探究活動・社会人との対話・フィールドワークは、そのまま志望理由書の「ネタ」になります。武蔵野大学・iU(情報経営イノベーション専門職大学)・麗澤大学・叡啓大学・京都産業大学との高大連携プログラムも、「この大学で学びたい理由」に実際の接点を持てる大きな強みです。
探究活動で「問いを立てる力」を、寮生活で「他者と関わる力」を、大学連携で「社会とつながる力」を。麗澤瑞浪での日々そのものが、総合型選抜で問われる「人物の深さ」を育てる場になっています。
総合型選抜について、受験生や保護者の方からよく寄せられる疑問をまとめました。
似たような悩みを持つ人は参考にしてください。
総合型選抜は、点数だけでは測れない「なぜこの大学で学びたいのか」「将来どう社会に貢献したいのか」という、あなたの人間性そのものを評価する入試です。
評定や試験の数値以上に、自分の経験・行動・目標を自分の言葉で語れるかどうかが合否を分けます。高校生活で探究活動や部活動、ボランティアなど、何かに本気で取り組んできた人にとって、総合型選抜はこれまでの努力を最大に活かせる最高のチャンスとなります。
準備は早ければ早いほど選択肢は広がりますが、今この瞬間から「自分は何を大切にして生きていきたいのか」を考え始めるだけでも、合格への第一歩は始まっています。
「自分には特別な実績がないから……。」と諦める必要はありません。 あなたの中に眠る「問い」を一緒に見つけ、形にしていける環境。その答えが、ここ麗澤瑞浪中学・高等学校にあります。
まずは一度、個別相談や見学会へ足を運んでみませんか?