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【麗澤瑞浪中学・高等学校監修記事】

 

みなさんは「アントレプレナーシップ」という言葉を聞いたことがありますか?

少しむずかしく感じるかもしれませんが、簡単に言うと「新しいことに挑戦する力」や「失敗をおそれずに行動する力」のことです。

 

たとえば、学校でイベントを企画したり、困っている友達を見て、どうしたら助けになれるか?」を考え、アイデアを実行に移したり、地域の課題を見つけて行動を起こすような人たちは、アントレプレナーシップを持っているといえます。

 

最近では、学校の授業や企業の研修でもアントレプレナーシップが注目されています。

なぜなら、これからの社会では「会社に入る」だけでなく、「自分らしい働き方」や「新しいことにチャレンジする力」がますます大切になるからです。

 

では、アントレプレナーシップを持つことでどんなメリットがあるのでしょうか?また、学生のうちからどうやって育てていけばよいのでしょうか?

 

この記事では、アントレプレナーシップの意味や重要性、具体的な学び方をわかりやすく解説します。

アントレプレナーシップ(起業家精神)とはどんな意味?

アントレプレナーシップ(Entrepreneurship)とは、新しいことに挑戦し、リスクを恐れずに行動する力を指します。

 

「アントレプレナーシップ=起業家だけのもの」と思われがちですが、実は、アントレプレナーシップは、だれもがこれからの時代に必要な力なんです。

 

ビジネスの場だけでなく、学校生活や地域活動でも、自分らしい挑戦や行動を生み出すための土台になります。

 

たとえば……

 

・学校のプロジェクトで新しいアイデアを考える

・クラブ活動でリーダーシップを発揮する

・アルバイト先で「こんなやり方もあるかも」と新しいアイデアを提案する

 

このように、アントレプレナーシップは 学生のうちからでも活かせるスキルです。

つまり、「自分で考えて、自分から動く」ことが大切なんですね。

 

新しい価値を生み出す精神や長期的な視点を持って目標を見つける力、リスクを取って行動する姿勢などもアントレプレナーシップの一つ。

変化を恐れずに新しいことにチャレンジし、社会にインパクトを与える考え方のことを「アントレプレナーシップ」というのです。

アントレプレナーシップを持つことはなぜ大切なのか

アントレプレナーシップ(起業家精神)は、単にビジネスを始めるためだけのものではありません。学校生活や仕事、社会全体の変化に適応するために必要な考え方です。

 

では、なぜアントレプレナーシップが大切なのでしょうか?

 

ここからは、3つの理由を見ていきましょう。

①:グローバルな環境で活躍できる人材になれる!

世界はどんどんつながり、国境を越えたビジネスや仕事の機会が増えています。

 

グローバルな環境で活躍できる人材になるには、単に英語が話せるだけでは大きな武器にはなりません。異文化を理解し、コミュニケーション力とチームワークを大切にすることが求められます。

 

またグローバルな環境では、自分から積極的に動ける人は評価されやすく、チャレンジ精神も重視されるでしょう。

 

たとえば……

 

・海外の大学に進学する人:多国籍の仲間と協力して学ぶ力が必要に。

・国際的な企業で働く人 :自分の意見を伝え、チームで新しい価値を生み出す力が求められる。

・海外に住んで仕事をする人:異なる文化や習慣に柔軟に対応する姿勢がカギに。

 

アントレプレナーシップを持つことで、こうしたグローバルな環境でも、自分で考えて行動できる力を身につけることができます。

②:どんな働き方にも対応できる!

社会に出ると、「会社員」だけが働き方の選択肢ではない ことに気づくでしょう。

フリーランスや起業家などは、まさしくアントレプレナーシップを最も発揮できるフィールドですね。

 

しかし会社員という立場であっても、アントレプレナーシップを持っている人は「主体的に価値を生み出せる人材」として評価されます。

新規プロジェクトを立ち上げたり、既存の業務を改善してより効率的な方法を提案したりなど、会社員でもアントレプレナーシップは必須となるでしょう。

 

たとえば……

 

・企業の新規事業担当 → 会社の中で、まだないサービスやアイデアを形にする仕事。

・リモートワーカーやフリーランス →自分の力で仕事を見つけたり、提案したりして働くスタイル

・転職を考える人 → 自分のスキルを活かし、最適な働き方を選ぶ力が必要

 

アントレプレナーシップがあれば、どんな働き方でも、どんな場所であっても「自分で仕事を作る力」が身につき、柔軟に対応できるようになります。

 

③:自分で事業を始めるときに役立つ!

アントレプレナーシップは、自分でビジネスを始めたい人にとっては特に必要不可欠な考え方ですね。

ビジネスアイデアを形にする力、リスクを乗り越えながら目標に向かって進む力はまさしくアントレプレナーシップ。

 

たとえば……

 

・アプリを開発してビジネスにする人:ユーザーのニーズを考え、試行錯誤を重ねながら改良していく力が求められる。

・飲食店を開業する人:立地やメニューの工夫、サービスのアイデアなど、幅広い視点と柔軟な発想が必要。

・YouTubeやSNSで発信する人:競争が激しい中、多くの人に自分の想いを届けるために、表現の工夫や戦略が重要。

 

アントレプレナーシップがあれば、ビジネスの成功確率を高め、成長し続ける力を身につけることができます。

逆に、この精神がないと事業を始めたいとも思えないのではないでしょうか。

アントレプレナーシップを発揮できる人とは?5つの特徴

アントレプレナーシップ(起業家精神)を持つ人には、共通する特徴があります。

それは、単に「起業したい!」という気持ちだけではなく、行動力や考え方 によって発揮されるものです。

 

アントレプレナーシップを発揮できる人には、以下の5つの特徴があります。

 

①:リスクを前向きに捉え、挑戦できる!

②:未来のことを考え、長期的な視点を持つことができる!

③:明確な目標を持ち、それに向かって行動できる!

④:新しいアイデアを生み出す創造力がある!

⑤:仲間を導き、リーダーシップを発揮できる!

 

これらの特徴を身につけることで、学校生活や仕事、日常の中でも活かせる力になりますよ

 

それぞれわかりやすく解説していきます。

①:リスクを前向きに捉え、挑戦できる!

事業を始めるには、リスクは避けて通ることはできません。

アントレプレナーシップを発揮できる人は、そのリスクを「成長できるチャンス」と前向きに捉えます。

 

たとえば……

 

・エジソン(発明家):「1万回の失敗をしたわけではない。成功しない方法を1万通り見つけただけだ。」

・スティーブ・ジョブズ(Apple創業者):一度Appleを解雇されたが、新しい会社を作り、最終的にAppleに復帰してiPhoneを開発。

・ウォルト・ディズニー(Disney創業者):最初のアニメーション会社が倒産したが、夢を諦めずにミッキーマウスを生み出し、ディズニー帝国を築いた。

 

不確実な未来の結果を予測できない状況でも、決断して行動をする。
またすべてのリスクを無謀に取るのではなく、データや経験をもとにリスクを判断する。

 

「失敗は成功のもと」よりも「成功は失敗の積み重ね」という考え方が、リスクを前向きにとらえて新しいことにチャレンジできるのではないでしょうか。

②:未来のことを考え、長期的な視点を持つことができる

目の前の利益や短期的な結果だけにとらわれず、未来を見据えて計画を立てる事ができる人もアントレプレナーシップを発揮できる人の特徴といえるでしょう。

 

たとえば……

 

・YouTuberやインフルエンサー:すぐに人気が出なくても、長期的にコンテンツを作り続けることで成功する。

・スポーツ選手:毎日のトレーニングを積み重ねることで、将来の大きな目標(オリンピック出場など)を達成する。

・発明家:最初のアイデアが実現しなくても、改良を重ねながら新しい技術や製品を生み出す。

 

アントレプレナーを発揮できる人たちは、一時的な感情や流行に流されず、自分の価値観や目標に沿った判断ができます。

 

今すぐ成功しなくても、長期的なゴールに向かって努力を続けることが大切です。どんな分野であっても「継続する力」と「挑戦し続けるマインド」が成功につながるでしょう!

 

③:明確な目標を持ち、それに向かって行動できる!

明確な目標があると、行動の方向性がはっきりし、迷わずに行動に移すことができます。

実際多くの成功者は、「自分が何を成し遂げたいのか」明確な目標を持ち、それに向かって努力を積み重ねています。

 

また、明確な目標があることでモチベーションの維持がしやすく、困難があっても乗り越えようとする意欲が生まれるでしょう。

 

たとえば……

 

・医師:「人の命を救いたい!」という目標を持ち、長年の勉強と実習を積み重ねて医療の最前線で活躍する。

・アスリート :「大会で優勝する!」という目標を立て、日々練習を続ける。

・教師:「生徒の未来を支えたい!」という目標を持ち、教育方法を学び続けながら、生徒の成長をサポートする。

 

このように、解決したいことや実現したいことなどの明確な目標がある人はまさしくアントレプレナーシップを発揮できる人ですね。

④:新しいアイディアを生み出す創造力がある

新しいアイデアを生み出すことをイノベーションと言いますが、このイノベーションがアントレプレナーシップでは非常に大切です。

 

アントレプレナーシップを持つ人は、世の中にない新しいアイデアを考え、それを形にする力を持っています。

 

たとえば……

 

・スマートフォンの誕生:「電話+インターネット+カメラが一緒なら便利!」という発想から生まれた。

・Uber(ウーバー)やAirbnb(エアビーアンドビー):「タクシーを持たない移動サービス」「自宅でレストランのご飯を食べる」「ホテルを持たない宿泊サービス」という新しい発想から生まれた。

・電気自動車(EV)の普及:「ガソリンを使わずに、環境に優しい車を作れないか?」という発想から生まれた。(例:Tesla)

 

「今あるものをどう変えられるか?」と考えることが大切です!

 

新しいアイデアを生み出す想像力がある人は、それを実用化して人々の生活やビジネスに大きな影響を与えることができるでしょう。

⑤:仲間を導き、リーダーシップを発揮できる!

アントレプレナーシップには、仲間を導くリーダーシップも求められます。

 

リーダーシップがある人は、ビジョンを示して仲間を引っ張り、チームをまとめるコミュニケーション能力があります。

 

たとえば……

 

・学校のプロジェクトでリーダーを務める : みんなの意見をまとめ、良い方向に進める

・文化祭やイベントの実行委員をやる : みんなをまとめ、役割分担を決める。

・スポーツのキャプテンになる : チームの士気を高め、全員が力を発揮できる環境を作る。

 

また他人を巻き込む影響力も大切で、周りの人を引き付け、動かす力がある人がリーダーシップのある人の特徴といえるでしょう。

学生のうちからアントレプレナーシップを育成することのメリット

アントレプレナーシップは、単に起業するためのスキルではなく、自ら考え、行動し、新しい価値を生み出す力を指します。

 

学生のうちからこの精神を育成することで、主体性や行動力、問題解決能力が身につき、将来のキャリアや人生に大きなメリットをもたらします。

 

また、若いうちから挑戦を重ねることで、失敗しても学びに変えやすく、リスクを恐れずに行動するマインドを育てることができます。

 

では、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう!

①:主体性と行動力が身につく

アントレプレナーシップを育てることで、「指示を待つ」のではなく「自分で考えて動く力」 が身につきます。

 

・「どうすれば良くなるか?」を考えて行動できる

・周りに流されず、自分の意志を持てる

・学校やクラブ活動でも、自ら企画・実行できる

 

主体性があると、学校生活でも「受け身」ではなく「自分で作る楽しさ」を味わえます。

 

②:問題解決力が育ち、実生活に役立つ

アントレプレナーシップを持つ人は、問題を「どうすれば解決できるか?」と考える力 を持っています。

 

・「なぜこの問題が起こっているのか?」と考える習慣がつく

・解決策を考え、試しながら改善していくスキルが身につく

・日常のトラブルにも冷静に対処できるようになる

 

「ただ不満を言う」のではなく、「解決策を考える力」がつくと、どんな環境でも活躍できます。

③:リーダーシップやコミュニケーション能力が向上する

アントレプレナーシップを持つ人は、周りの人と協力しながら物事を進める力 も持っています。

 

・自分の考えを相手にわかりやすく伝えられる

・人と協力しながら、リーダーシップを発揮できる

・チームで動くときに、意見をまとめたり調整したりする力がつく

 

コミュニケーション力があると、学校生活や社会に出たときにも大きな武器になります。

 

アントレプレナーシップはどうやって学べるの?

実際にアントレプレナーシップは、どのように学んで身につけていくのでしょうか。

 

アントレプレナーシップ(起業家精神)は、学校や専門機関で学ぶ方法だけでなく、日常生活の中でも身につけることができます。

 

では、ここからは具体的にどのような方法で学べるのか見ていきましょう!

 

学校教育で学ぶ

近年多くの大学では、アントレプレナーシップを学ぶ専攻や起業家精神を育成するコースが作られています。

 

社会の変化が激しくなる中で、新しいアイデアを生み出せる人材の育成が重要視されているからです。

 

例えば武蔵野大学は、日本で初めてアントレプレナーシップ学部が作られた大学で、既存の枠にとらわれず新たな価値観を創造していく人材を育成しています。

麗澤瑞浪中学・高等学校の取り組み紹介

中学・高校でもアントレプレナーシップを学べる学校が増えており、麗澤瑞浪中学・高等学校でもその取り組みが進んでいます。

 

例えば、アントレプレナーシップ推進大使の長内あや愛さんを招いた講演会では、「自分の好きなことを仕事にする方法」 について学びました。

 

また、麗澤瑞浪中学・高等学校では、高等学校において2026年4月から「アントレプレナーシップコース」を新設予定。

 

創造力と実践力を鍛える探究型プログラムや、社会課題解決型のプロジェクト学習(PBL)を通じて、「予測不可能な時代を楽しむ」感性と、挑戦する姿勢を育みます。

 

・デザイン思考やアート思考、社会課題を取り上げた実践的なプロジェクト

・仲間との協働や多様性に触れる体験を通じた他者理解と自己成長

・武蔵野大学との連携による本格的な起業教育やマーケティング、国際ビジネスの学び

 

このように、大学だけでなく中学・高校の段階からアントレプレナーシップを実践的に学ぶ環境が整備されつつあります。

 

「自分で考え、行動する力」を育む教育が、これからの時代を生き抜くための基盤となるのです。

 

文部科学省の「次世代アントレプレナー育成事業」に参加する

文部科学省は、「次世代アントレプレナーシップ育成事業」 を平成29年に設置しました。

 

これは、全国の大学で実施されているアントレプレナーシップ教育の成果を活かし、新しい事業を創出できる人材を育成することを目的としています。

 

この事業に参加すると、実際のビジネスに関わるプロジェクトに参加できたり、企業や起業家とのネットワークを広げられたりします。これらの実践的なスキルや知識を学べることは大きなメリットでしょう。

 

起業や新しいビジネスに興味がある人は、こうした公的なプログラムに参加してみるのも良い方法です!

 

ビジネススクールでMBA(経済学修士)の取得を通して学ぶ

ビジネススクールでMBAの取得を通して学ぶという方法もあります。

 

MBA(Master of Business Administration)は、経営学を専門的に学ぶための大学院プログラム です。日本では「経営学修士」と呼ばれていて、ビジネスに関わる専門性の高いテーマを実践的に学んだ大学院修了者に与えられる修士号のことです。

 

経営やマネジメントの知識を深め、ビジネスの現場で活かせるスキルを身につけることができます。

 

経営学の高度な知識を備えたプロフェッショナルであることを証明するもので、ビジネスの世界で活躍したい人にはその夢の実現に近づく第一歩となるでしょう。

 

たとえば……

 

・海外の有名MBA(ハーバード・ビジネス・スクール、スタンフォード大学) は、多くの起業家を輩出している。

・日本のMBAプログラム(グロービス経営大学院、早稲田大学MBA) でも、アントレプレナーシップ教育に力を入れている。

 

MBAを取得すると、国内外問わず企業や組織では高度な専門知識のある人材としての活躍が期待されます。経営のプロフェッショナルとなることで、アントレプレナーシップも同時に学ぶことができるでしょう。

 

日常生活を通して自分でアントレプレナーシップを育てることもできる

アントレプレナーシップは、大学やビジネススクールに行かなくても、日々の生活の中で学ぶことができます。

 

・日々の予定やタスクを整理し、自分の時間を管理する

・身近な問題を見つけ、「どうすれば解決できるか?」を考え、実行する

・新しいことにチャレンジし、成功・失敗の経験を積む

 

日々の小さな挑戦や活動を通じてアントレプレナーシップに必要な考えや行動を磨いていきましょう。

 

またアントレプレナーシップに大切なコミュニケーション能力は、家族や友達とはぐくんだり、職場や学校で学べることがたくさんあります。

 

「今ある環境の中で、何ができるか?」を考え、挑戦することが成長につながります。
アントレプレナーシップは、日々の生活の中で磨けるスキルなのです。

まとめ:アントレプレナーシップを育て、未来に活躍できる人材になろう!

アントレプレナーシップを育てることで、未来において価値を生み出し、社会にもポジティブな影響を与えることができる人になれます。

 

将来に向かって明確な目標を持ち、リスクを恐れず挑戦する勇気を持つ。

 

自分の強味と情熱を理解し、常に学び続けていくことで、未来の起業家やリーダーとしての道が開けてくるのです。

 

あなたもアントレプレナーシップを学び、明るい未来を切り開いていきましょう。

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