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【麗澤瑞浪中学・高等学校監修記事】

 

「キャリア教育」と聞くと、進路選択や職業体験を思い浮かべる方が多いかもしれません。

 

しかし、キャリア教育の本質は、それだけではありません。実は、キャリア教育は「自分らしい生き方や働き方を考えるための教育」でもあります。

 

現代の社会では、働き方や生き方が多様化し、どの職業を選ぶかだけでなく、どのように自分のキャリアを築くかが重要になっています。

 

キャリア教育は、単に職業選びの手助けをするだけでなく、「自分に合った仕事や働き方」を見つけるための力を育てるものです。

 

この記事では、キャリア教育の意味や目的をわかりやすく解説し、どんな力を身につけることができるのか、そして実際に学校でどのような取り組みが行われているのかをご紹介します。

 

将来を考えるための一歩を踏み出し、より良い未来を築くためにキャリア教育がどれほど大切かを一緒に学んでいきましょう。

キャリア教育ってなに?今注目されている理由を解説

「キャリア教育」とは、将来の進路や職業選択に向けて、必要な知識やスキルを学ぶ教育のことです。

 

単に「仕事を選ぶための教育」ではなく、人生を豊かにするために、自分の強みを活かしながら社会と関わる力を育てることが目的です。

 

現代社会では、テクノロジーの発展や働き方の多様化により、キャリアの選択肢が増えています。そのため、「どんな職業を選ぶか?」だけでなく、「どのように自分のキャリアを築くか?」を考える力が求められています。

 

たとえば、進路選択の際に「自分に向いている仕事を見つけるために必要な力は何か?」と考えたり、社会の変化を知り「この仕事は10年後も必要とされるのか?」と考えることができるようになるのも、キャリア教育の大きな役割です。

 

文部科学省によるキャリア教育の定義

文部科学省によると、キャリア教育は以下のように定義されています。

 

キャリア教育の定義
「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」
引用:文部科学省「キャリア教育とは何か」

 

このように、キャリア教育は「自分らしい生き方」を見つける手助けをするだけでなく、「社会とどう関わるか」を考えながら、将来に必要なスキルを育てるものです。

「キャリア教育」と「職業教育」はどう違う?

キャリア教育と似た言葉に「職業教育」があります。どちらも「将来の仕事」に関わる教育ですが、その目的は異なります。

 

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・キャリア教育 → 自分の生き方・働き方を考え、人生設計の力を育てる教育

・職業教育 → 具体的な職業スキルを学び、仕事に直結する能力を身につける教育

 

キャリア教育は、「自分の生き方や働き方を考えるための教育」であり、職業教育は「特定の職業に必要なスキルを学ぶための教育」です。

 

教育の種類 目的 学ぶ内容 具体例
キャリア教育 自分の生き方や働き方を考える 自己理解、社会で必要なスキル、キャリア設計 「自分はどんな仕事が向いているのか?」を考えるワークショップや探究学習
職業教育 特定の職業に必要なスキルを身につける 技術・専門知識・実習 調理師学校で料理の技術を学ぶ、看護学校で医療技術を学ぶ など

 

たとえば、キャリア教育では「自分の得意なことや興味を知り、それをどう活かせるか?」を考えます。

一方、職業教育では「調理師になるために料理技術を学ぶ」「エンジニアになるためにプログラミングを学ぶ」といった、特定の職業に直結した学びが中心になります。

 

キャリア教育は、どの職業を選んでも活かせる「生きる力」を育てることが目的です。

 

たとえば、問題解決力やチームワーク、リーダーシップなど、どの仕事でも求められるスキルを養うことができます。

一方、職業教育はすでに職業を決めた人向けの教育 であり、専門学校や職業訓練校などで、特定の仕事に必要な技術を身につけることが目的です。

キャリア教育が必要だとされている理由

キャリア教育は、将来社会に出て働くために必要なスキルや考え方を身につけるための重要な教育です。

 

単に「職業を決める」ことが目的ではなく、自分に合った働き方を考え、変化の多い社会に適応する力を育てることが求められています。

 

キャリア教育を通じて、社会に出たときに必要な基礎スキルを学ぶことができます。

 

【キャリア教育が必要とされる理由】

 

・自分に合った働き方や職業を考えるきっかけになる
・学校で勉強する意味を感じ、学習意欲が高まる
・社会で役立つスキル(コミュニケーション能力・問題解決力)を身につける

 

では、なぜキャリア教育がこれほど重要なのか、具体的に見ていきましょう。

将来に役立つスキルが学校で身につく!

学校での学びは、単に知識を身につけるだけではなく、社会で役立つスキルを身につける場でもあります。

キャリア教育を通じて、実際の仕事や社会で求められる能力を学ぶことができます。

 

例えば、企業では以下のような力が求められます。

 

【企業で求められる力】

 

・自分で考えて行動する力(指示を待つだけでなく、自分で判断し動く力)

・コミュニケーション能力(チームで働くためのコミュニケーション力

・チームワーク(協力しながら仕事を進める力)

・問題解決能力(予想外の出来事にも冷静に対応できる力

 

たとえば、授業で「発表の仕方」を学ぶ機会がありますが、これは社会に出たときに自分の考えをわかりやすく伝える力につながります。

 

また、グループで意見を出し合いながら課題を解決する活動があります。

 

・「学校のルールをより良くするためには?」というテーマで話し合い、自分の意見を発表する。
・「文化祭でどんな企画をするか?」を話し合い、チームでアイデアを形にする。
・「クラスでの係活動」を通じて、役割を分担し、責任を持って取り組む。

 

このような活動を通じて、将来の仕事でも求められる「考える力」「伝える力」「協力する力」を身につけることができます。

 

学校での経験が、そのまま社会での活躍につながるのがキャリア教育の大きな特徴です。

自分に合った働き方や職業を考えるきっかけになる!

キャリア教育は、自分に合った働き方や職業を考える大切な機会 になります。

 

現代では、会社員として働く以外にも、フリーランス・起業・リモートワーク・パラレルキャリア(複数の仕事を持つ) など、さまざまな働き方が選べるようになりました。

その中で、「自分はどのような仕事や働き方が向いているのか?」 を考えることが重要です。

 

キャリア教育で働き方を知る機会

 

・職業体験で、思いがけず「この仕事、楽しい!」と興味を持つ。

実際に働いている人と話すことで、自分が想像していた仕事とは違う魅力を知ることができる。

 

・企業の人の話を聞いて、「こういう仕事もあるんだ!」と視野が広がる。

学校で習う教科だけでは知ることができない、さまざまな業界や働き方に触れられる。

 

・「自分の好きなことって何?」を考える機会ができる。

「絵を描くのが好きだから、デザインの仕事が向いているかも?」など、自分の趣味や得意なことが将来の仕事につながるかもしれない。

 

一昔前までは、「安定した企業に就職し、定年まで働く」というのが一般的なキャリアの考え方でした。

 

しかし、今はテクノロジーの発展や社会の変化により、「一つの会社で一生働く」のではなく、自分のスキルや興味を活かしながら柔軟に働く時代 になっています。

 

キャリア教育を通じて、さまざまな働き方を知ることで、「どんな仕事があるのか?」だけでなく、「自分に合った働き方は何か?」を考えることができるようになります。

学校で勉強する意味を感じることにより学習意欲が高まる!

キャリア教育を受けることで、「なぜ今この勉強をしているのか?」という疑問に対して、自分なりの答えを見つけられるようになります。

 

たとえば、数学の勉強が将来の理系の仕事に活かせることや、英語が将来海外で働くために役立つことなど、学んでいる内容と将来の自分がつながる実感を持てるようになります。

 

このように、「勉強=将来の自分につながる」と感じられると、自然と学習への意欲が高まり、目標に向かって努力しようという前向きな気持ちが生まれます。

 

また、キャリア教育では「好きなこと・得意なことを見つける」活動も行われるため、「自分に合った進路を見つけたい」「夢を叶えるためにもっと学びたい」と思えるきっかけにもなります。

 

「何のために勉強するのか」がはっきりすると、学びはより充実したものになります。キャリア教育は、そんな「勉強する意味」を感じるための大切なヒントを与えてくれるのです。

キャリア教育を通して身につけられるスキル・能力

キャリア教育では、職業について考えるだけでなく、「社会に出てから役立つ力」や「自分らしい働き方を見つけるための力」を身につけることができます。

 

キャリア教育で身につくこと】

 

・社会で役立つスキル(コミュニケーション能力・問題解決力など)

・自分に合った働き方を考える力(自己理解)

・将来の目標を持ち、学習意欲を高めること

 

ここでは、キャリア教育を通じて身につく代表的なスキルや能力をご紹介します。

よい人間関係を築き、チームワークを発揮できるようになる

社会に出ると、さまざまな人と協力しながらコミュニケーションを取り、仕事を進めることが求められます。

 

キャリア教育では、グループワークや話し合いの活動を通して、相手の話をよく聞いたり、自分の意見を伝えたりする力を育てることが可能です。

 

また、お互いの考えを尊重しながらチームで取り組む経験は、信頼関係を築く大切さや、チームで成果を出す力を自然と身につけることにつながります。

様々な課題に対応できる「問題解決力」が身につく

社会では、予想外のトラブルや難しい課題に直面することがよくあります。

 

キャリア教育では、グループ活動や探究学習などを通じて、「課題をどう解決するか?」を考える経験を積むことが可能です。

 

一人で考えるだけでなく、仲間と話し合いながらアイデアを出し合うことで、柔軟な発想や、相手の意見を受け入れる姿勢も養われます。

 

「問題に気づく → 考える → 試してみる → ふり返る」という流れをくり返すことで、現実の場面でも落ち着いて対応できる力が自然と育っていくのです。

自己理解を深めることができる

キャリア教育では、「自分はどんなことが好き?」「何が得意?」といったことを考える機会がたくさんあります。

 

自分を客観的に見つめ直すことで、「この仕事が向いているかも」「この働き方なら楽しく続けられそう」といった気づきが得られるでしょう。

 

自己理解が深まると、進路選択だけでなく、日々の学びにも前向きに取り組めるようになります。

自分の働き方の指標となる「キャリアプランニング能力」が身につく

「キャリアプランニング能力」とは、自分の将来について考え、目標を立て、それに向かって行動する力のことです。

 

キャリア教育では、将来の夢や理想の生活をイメージしながら、「そのために今何をするべきか?」を逆算して考える習慣が身につきます。

 

たとえば、「○○の仕事に就きたいから、高校ではこの科目をがんばろう」といったように、自分の進む道を自分で選び、計画的に行動できるようになりますよ。

 

中学校・高等学校ではどのようなキャリア教育が行われているの?

キャリア教育は、文部科学省の指導のもと、小・中・高すべての学校で行われています。

 

特に中学校・高等学校では、生徒の発達段階や将来の進路選択に合わせたキャリア教育が重要視されています。

 

それぞれの学年に応じて、どのような内容が実施されているのか見ていきましょう。

 

中学校でのキャリア教育

中学校では、「自分を知ること」「社会の仕組みを知ること」「働くことへの理解を深めること」が主な目的です。

 

【中学校でよく行われているキャリア教育の例】

 

・自分の性格・得意なことを知る「自己理解」のワーク

・働く人の話を聞く「キャリア講話」

・実際の職場で仕事を体験する「職場体験学習」

・地域の人と関わる「ボランティア活動」

・「将来の夢」について考える作文や発表

 

中学生のうちは、まだ「将来やりたいこと」がはっきりしていない生徒も多いです。

 

しかし、さまざまな仕事や社会との関わりを体験することで、「こんな仕事もあるんだ」「自分はこれが向いているかも」と、考えるきっかけが得られます。

高等学校でのキャリア教育

高校では、「進路の決定」や「自分の未来像を具体的に描くこと」がキャリア教育の中心になります。

より現実的に将来を考えられる時期だからこそ、キャリア教育の内容も実践的です。

 

【高等学校でのキャリア教育の例】

 

・大学や専門学校、企業などの見学・説明会

・社会人との交流による「仕事理解」プログラム

・自分の進路について考える「キャリアパスポート」や「進路ガイダンス」

・学校外でのインターンシップ・地域連携プロジェクト

・志望理由書の書き方・面接対策などの「受験準備支援」

 

高校では、進学・就職・専門職など、さまざまな進路が分かれていきます。

 

キャリア教育を通じて「自分がどの道に進みたいか」を考え、そのために必要な力を計画的に身につけていくことが求められます。

 

麗澤瑞浪中学・高等学校の「探究・キャリア教育」

麗澤瑞浪中学・高等学校では、「探究・キャリア教育」を4つの教育の柱のひとつとして重視しています。

 

これからの社会は、何が起こるかわからない「予測不可能な時代」。そんな時代を前向きに生きていくために、本校では「予測不可能を楽しむ感性」を育て、興味関心を深めるための手法を、実践を通じて学んでいきます。

 

その中でも特徴的なプログラムが、週末に開かれる「Discovery Saturday」です。

Discovery Saturdayとは?興味関心を深める週末プログラム

Discovery Saturdayでは、生徒一人ひとりの「好き」「やってみたい!」という気持ちを出発点に、さまざまな講座にチャレンジできます。

 

自分の興味に合わせて講座を選べるため、主体性と探究心が自然と育まれます。

 

【実際に行われている講座の一例】

 

・歴史探究:事前学習→現地調査→スライド作成→発表までを体験

・未来の教師:教員の仕事を実際に体験(板書計画・指導案作成・模擬授業)

・ReiTech(マインクラフトで学校再現):測量から設計、建築までを楽しみながら挑戦

・理科講座(モデルロケット):オリジナルロケットを製作し、全国大会にも出場!

 

これらの活動では、「やってみたい!」というワクワクから始まり、「知る」「考える」「作る」「伝える」までの一連の探究サイクルを実際に体験できます。

RISE・MIETANなどの多彩な取り組み

その他にも、生徒の「知りたい!」「やってみたい!」を刺激する独自カリキュラムが用意されています。

 

・RISE:日本文化体験や文化講演会などを通じた体験・探究型総合学習

・MIETAN:社会の第一線で活躍する「フロントランナー」によるアクティブラーニング型講座

・多分野にわたる選択講座(ドローン・プログラミング・ベジタブル研究など)

 

学校の枠にとらわれない多彩なカリキュラムにより、普段の授業では体験できないような深い学びと気づきを得ることができます。

 

「自分の未来を自分で切り開く」ための力を育てる

「どんな未来が来ても楽しめる感性を磨き、興味を深める手法を実践を通じて学ぶ」。これが、麗澤瑞浪がめざす探究・キャリア教育の核です。

 

自分の「好き」をとことん深め、自分の未来を主体的に選び取る力。それこそが、これからの時代に必要な「生きる力」なのです。

 

麗澤瑞浪では、これらの教育活動を通して、生徒一人ひとりが「自分らしく輝ける未来」を描けるようにサポートしています。

まとめ:キャリア教育で未来の選択肢を広げよう!

キャリア教育は、単に職業選択の手助けをするだけでなく、自分の生き方や働き方を考える大切な教育です。自分に合った未来を描くための「ヒント」や「力」を、学校での学びを通して得ることができます。

 

麗澤瑞浪中学・高等学校では、探究学習やキャリア教育を通じて、生徒一人ひとりが自分らしい進路を選ぶために必要な力を身につけています。多様な選択肢が広がる中で、「自分にぴったりの未来を見つける力」を育んでいるのです。

 

未来の選択肢は無限大!キャリア教育で、自分の可能性を広げ、楽しみながら進んでいきましょう。

 

学校での学びは、あなたが思っている以上にたくさんの道を照らしてくれます。自分の好きなこと、得意なことを見つけて、未来の扉を一緒に開いていきましょう!

 

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