6月4日(水)は、本校創設者・廣池千九郎先生の命日にあたることから、本校ではこの日を「学校記念日」と定めています。その記念として、今年も「伝統の日感謝の集い」を開催しました。
現代の社会は、有形・無形を問わず多くの先人たちの恩恵によって支えられています。本校では、そうした計り知れない恩恵のつながりを「伝統」と呼び、感謝の心とともにこれを受け継ぎ、未来へとつなげていく意義を大切にしています。この集いは、そうした想いを改めて心に刻む機会となります。
式の冒頭では、藤田校長より「伝統の日感謝の集い」の意義についての講話がありました。続いて、箕輪 桃さん(中学2年)と松本 伊生さん(高校3年)の2名が生徒代表として「伝統」をテーマに発表を行い、自身の想いを堂々と述べました。
さらに、社会科の髙瀬仁志教諭による講話「日本 この国のかたち」が行われました。冒頭では『古事記』の物語が語られ、その世界観に生徒たちは静かに引き込まれていきました。ユーモアを交えた語り口や、随所にちりばめられたクイズ形式の問いかけに、会場からは思わず笑みがこぼれる場面もありました。
やがて話題は、天照大御神の子孫である皇室のご公務の歴史へと移りました。戦後の激動の中にあっても、皇室が国民の安寧をひたすら祈り続けてきた事実が、歴史的背景とともに丁寧に語られ、生徒たちは真剣な眼差しで聞き入っていました。話が進むにつれ、会場は次第に静寂に包まれ、胸に迫る言葉の一つひとつに多くの生徒が深く頷いていました。生徒だけでなく教職員も話にじっと耳を傾け、ときに目頭を押さえる様子も見られました。
講話の終盤では、「2000年さかのぼれば、日本人はほぼ皆、血縁的につながっている」との言葉とともに、天照大御神は皇室だけでなく、すべての日本人の祖先とも言える存在であるという視点が示されました。この言葉は、聞く人の胸に日本人としての誇りと連帯感を呼び覚まし、伝統や歴史に対する新たな気づきと感謝の念が胸に満ちる、そんな講話となりました。
本行事を通じて、生徒たちは改めて「伝統」と向き合い、日々の学びが過去と未来を結ぶ大切な営みであることを感じ取ることができたようです。
箕輪桃さん
松本伊生さん