2014/9/1

君たちはなぜ「学ぶ」のか

選抜クラス担任 松本兼太朗

 昨年の3月のことです。1人の高校3年生の選抜クラス生が泣きながら私のいる担任室の前へやってきました。この生徒は、大学入試の個別指導で担当していた生徒です。その日は数名の合格発表があり、彼女もまたその中の1人でした。その表情、そして涙する姿を見て、何と言って励まそうか、ドアの向こうにいる彼女を見て、色々な言葉が浮かんでは消えていきました。やがて担任室のドアを開けた彼女は、涙まじりの声で「合格しました」と告げてくれました。合格したはずの彼女の顔は全く晴れやかではありません。「私は合格したんですけど、みんなが…」と、後は言葉になりませんでした。

 麗澤瑞浪で奉職させていただくようになって5年余りが経過しました。その間、中学担任、高校担任を経て、昨年度より選抜クラスの担任を拝命しました。今年で選抜クラス担任2年目です。選抜クラスとは、国公立大学や難関と言われる私立大学を希望進路とする生徒の集まるクラスのことです。学期中の進学講座、休業中の進学講座、2泊3日で14時間もの自習時間がある選抜クラス合宿は全て必履修。授業の進度も早く、宿題の量も大変なものになります。テスト週間の放課後の自習では眠たい目をこすって必死に机でかじりついていますし、自主的に立ったり正座をしたりして勉強する生徒も見受けられます。

 選抜クラス担任になった当初は、「必ずしも合格が保証されない大学受験を目指して生徒たちはどうしてこうもがんばれるのだろうか」「ここまで勉強をさせて私は彼らに何を伝えたいのだろうか」と自問自答する日々が続きました。しかし、日々精進を続ける彼らの姿を見て、最近になってようやく1つの結論に辿り着くことが出来ました。
 勉強とは決して楽しいだけのものではありません(むしろ辛いだけの人もいるかもしれません)。しかしその辛いものと正面から向き合い、何とか克服しようと努力を重ねることができれば、精神的な強さが身につくことでしょう。また、勉強をしていく中で、くじけそうになっている仲間を目にすることがあるかもしれません。そんな時にお互いの頑張る姿を見て励まし合い、声を掛けて励まし合うことができれば、相手を思いやる心が身につくはずです。冒頭に挙げた生徒は勉強を通じて、相手を思いやる心を身につけていったのかもしれません。
  『勉強の極意は人格の完成にあり』
 選抜クラスの担任をしていく中で、生徒たちに教えてもらった一つのフレーズです。
 さあ、生徒諸君、「勉強」を手段に、「偏差値上昇」や「志望大学合格」を目標に、そして「人格の完成」を最終目的地として、今日も勉学に励もうではないか。人格完成への道のりは遠い!

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