2014/7/16

心で走る

体育科 藤原司

 皆様、初めまして。今年度より、麗澤瑞浪で教員生活をスタートさせた藤原司と申します。簡単に自己紹介をさせていただきます。私は、中学から社会人までの15年間、陸上の長距離選手として競技を続けてきました。それと並行して、体育教師になろうという目標も持ち続けてきました。その理由は、小学生の頃まで遡ります。私は県大会のリレー種目の決勝で失格という悔しい経験をしました。その時の恩師の指導が的確で、今でも忘れることができません。私もその先生のようになりたいと思い、その時のリレーメンバー4人で体育教師になろうという目標を決めました。

 高校進学時、いずれの進路を選ぶか悩みました。自宅から近い高校への進学か、片道2時間かかる陸上競技の強豪校への進学か。私は強豪校への進学を決めました。この選択は今でも良かったと思っています。大学へ進学した際に気が付いたことですが、母校の練習量は、他の強豪校や全国出場校の練習量と比べると、明らかに少ないものでした。集まってくる選手たちも、中学校時代の実績では、毎年他県の選手には劣っているのが現状です。しかし、高校生になると全国で活躍できる選手が輩出されるのです。それがなぜなのか、不思議でなりませんでした。

 答えは、母校の恩師、高校で陸上競技を教えてくださった先生にありました。この答えに気が付いたのは、大学生になってからですが、この恩師の教えこそが、陸上の選手として高校生が成長する鍵を握っていたのです。
 入学してすぐの恩師の話は、「ランナーである前に良き人間でありなさい」でした。当時の私には深い意味はわかりませんでしたが、日々の練習を通し、自分が成長する中で、次第に理解できるようになりました。このことは、陸上競技だけでなく、様々な分野のアスリートを見て共通しています。学校生活や私生活での礼儀・マナー・挨拶・モラル、その他人間性が問われる行動において、何かが足りない選手は「うまいだけの選手」「速いだけの選手」で競技を終える傾向にあると思います。逆に、礼儀やマナーなどをしっかりと持ち合わせている選手は「強い選手」になれる要素を持っているように思うのです。
 箱根駅伝や実業団ランナーとしての経験から、礼儀やマナーなどを持ち合わせていても必ずしも頂点に立てるとは限らない厳しい現実も見てきました。しかし、競技において結果が残せなくとも、何かに一生懸命取り組み、人間性の高い選手であった人は、将来何かしらの分野でいつか必ず報われると思っています。そして、その取り組みは、いつか必ず役立つ日が来ます。
 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」高校時代、合宿に参加した際に教えていただいた言葉です。その言葉の通りになれるよう、今でも心がけています。まだまだ、私の稲穂は実っていませんが、今度は教師として、生徒たちにもこの心を伝えていきたいと思っています。
 中学・高校時代は練習をバリバリやることも大切です。しかし、それ以上に心を育ててあげることが大切ではないでしょうか。感謝の気持ちを持つ。心が育てば、やる気が起き、やる気が起きれば成長ができ、強い人間になれます。部活動は、心の育ちを養う活動だと思います。「心を育てて、心で走る」。私が、部活動を通じて学んできたことです。

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