2013/7/19

先輩の背中を追って~瑞浪の寮生活

教頭 高瀬仁志

 高校女子寮の生徒たちは、土曜日の夜を「ロングフリー」と呼んで楽しみにしています。ふだんは夜に自習時間がありますが、休前日にはないので、おしゃべりをしたり、お菓子をつくったり、それぞれが自由時間を過ごしています。
 3年前、もっと勉強する女子寮にしようと、各寮にいる学習係の生徒が「学習時間ゼロの日をなくそう」という取り組みを始めました。年3回、約1か月間の簡単なカレンダーを作って寮生一人ひとりに配り、寮生は寮で自習できた日には〇を、できなかった日にXをつけます。なので「〇Xチェック」と呼んでいます。このチェックを始めた年の6月――麗明祭(文化祭)があって、勉強がおろそかになりがち――に1か月間毎日〇をつけた生徒は約4分の1でした。特に土曜日にXをつける生徒が多く、中でも麗明祭当日の土曜日には、ほぼ半数がXをつけました。

 女子寮は3学年混合の4人部屋が普通ですが、受験勉強中の高校3年生はロングフリーも自習しています。3年生が勉強していると、下級生はその部屋でおしゃべりすることは憚られます。ある部屋の3年生は、いつも自室で勉強していました。別の部屋の3年生は、共用棟――ふだん生徒が生活している寮とは別棟――の学習室へ行って勉強していました。ある日、その2人が議論していました。「下級生がおしゃべりできるように部屋を空けてあげるべきよ」「自分の部屋なんだから勉強してもいいじゃないの」と、2人とも自説を曲げず白熱しているところへ他の同級生も参加して、「その中間がいいのでは?」などと盛り上がりましたが、結論は出ませんでした。

 寮生活の目標のひとつに「自立」があります。そこに、先輩は何でも先にやって、その背中を見せる「率先垂範」というキーワードがついています。受験勉強のやり方、後輩への思いやり、それを議論する仲間としての存在。それらはみな寮生活の中で受け継がれているものです。
 あの2人がその後どうなったか? それぞれ自分の第一志望大学に見事合格しました。翌年6月の「〇Xチェック」の結果、1か月間毎日〇をつけた生徒は約3割に増え、つい先日行われた今年6月の結果は、半数以上が毎日〇をつけました。率先垂範してくれた先輩たちの背中を見た後輩たちは、自分たちもその背中を見せようとがんばっています。

ホームへ先頭へ前へ戻る